【行動面の目標】自立すること

アドラー心理学などから学び、日々悩みながら9歳の娘と2歳、0歳の息子の子育てを実践しています

アドラー心理学 イライラしない、すくすく子育て

【行動面の目標】自立すること

アドラー心理学が目指すべき目標のうち、行動面の目標「自立すること」についてまとめます。

自立するとは?

「自立」という言葉を辞書で調べてみました。

他への従属から離れて独り立ちすること。他からの支配や助力を受けずに、存在すること。「精神的に自立する」

https://kotobank.jp/word/自立-535816

一見すると他者との関係を断ち、一人で生きていくこと。のような意味に見えてしまいますが、少し違います。

「自立すること」とは、わたしの価値を自らが決めることができることです。ありのままの自分を受け入れる「自己受容」ということもできます。

例えば、自分の頭で考えて自らの進路を決めるという行為は自立した行為といえます。
反対に、親に勧められたから、親の喜ぶ顔が見たいから大学へ進学する、というのは自立した行動とは言えません。親という他者に依存した行動です。

教育の目標も「自立」

教育者や子育て中の親が目指すべき教育の目標は「自立」です。親は、子どもが自立できるように援助をしていく必要があります。

「自立」を目標とする教育においては、まず相手のことをありのまま認める必要があります。ありのままの自分を受け入れるためには、親が無条件に受け入れてあげる必要があります。

ありのままに見て、その人が唯一無二の存在であると知る。この能力のことを「尊敬」といいます。教育の入り口は「尊敬」からはじまる必要があります。

尊敬するためには、無条件に子どものことを「信頼」する必要があります。一切の条件を付けずに、信じる。相手がどう思うかは関係なく信じることが重要です。

自立を妨げる「褒める」と「叱る」

尊敬と対極にあるのが、「褒める」「叱る」です。

自立と褒める叱るの関係

自立と褒める叱るの関係

一部では、ほめて育てることが良いとされていたり、叱る教育は良くないとされていますが、アドラー心理学ではどちらも否定しています。

一見すると対極にある教育のようですが、根本はどちらも同じところに行きつきます。「褒める」と「叱る」、その根源にあるのは、子どもを親の支配下におくことです。

褒める教育は、褒めることで子どもの承認要求を満たして、伸ばそうとする教育です。一見良いことのように見えますが、「ほめられたい」という親への依存を深める結果に繋がります。

叱る教育は、恐怖で親の支配下におくことを目的としています。叱る前に、本当に叱る必要があるのか?ただ単に知らなかっただけなのでは?ということを考えてみましょう。もし知らないだけであれば、言葉で説明してあげるといいでしょう。

もし、確信犯的にしかられるような問題行動をしているのであれば、背後に隠れている心理を見極めて対処する必要があります。いずれの場合も、ありのままの自分を認めることができていないところから派生する行動なので、こちらから尊敬することを心がけましょう。

問題行動の5段階

確信犯的に問題行動を起こしている場合は、どの段階の行動かを見極めて対処する必要があります。

問題行動の5段階

問題行動の5段階

1.称賛の要求

ほめてほしい、という要求です。

ほめてもらうことが目的となっているので、ほめてくれる人がいなければ、適切な行動をしない可能性があります。いい子であろうとするばかりに、カンニングなど不正行為に出てしまう段階です。

対処方法としては、こちらから尊敬を示すことによって、「特別」でなくともあなたには価値があると、教えていくことになります。

2.注目喚起

ほめてもらえなくてもいいので、注目を集めたい、という要求です。

ほめてもらうために勉強を頑張ったが、思うように結果がでない。思い通りにほめてもらえないので、ほめられることは諦めて、とにかく目立ってやろう、という目的の行動です。

行動原理は「悪くあること」ではなく、「目立つこと」。目立つことで、特権的な地位を得たい。自らが属する共同体のなかに確固たる「居場所」がほしいと考えます。

「いたずら」によって注目を得ようとしたり、「できないこ」として振る舞うことで注目を集めようとする。存在を無視されるくらいなら、「しかられるほうがずっといい」と考えた末での行動になります。

対処方法としては、称賛の要求と同様で、尊敬を示し、「特別」でなくともあなたには価値があると、教えていくことになります。

ここでしかってしまうと、「目立ちたい」という目的が達成されるために、行動がさらにエスカレートする可能性があります。

3.権力争い

「力」を証明したい、という要求です。

称賛の要求や注意喚起では、大人が本気で怒る直前に行動をやめますが、権力争いの段階になると行動を継続します。

反抗や不従順によって闘い、勝つことで力を証明したいと考えます。

対処としては、即刻争いの場から降りることです。決して避難などせずに、言葉の力で事態を収拾させます。もしあなたに非があるのであれば、謝罪し、争いの場から降りましょう。

もし、ここで権力争いに乗っかってしまい、「力」を証明することができないと、次の段階の「復讐」へ進むことになります。

4.復讐

「憎しみ」を求めるようになります。

権力争いを挑んだのに敗北を期してしまった人は、いったん引き下がった後に「復讐」を画策します。

わたしを認めてくれなかった人、愛してくれなかった人に、愛の復讐をする。「憎しみ」を求めるようになる。憎悪という感情のなかで、わたしに注目してくれ、と考えるようになります。ストーカー行為など、ひたすら「相手が嫌がること」を繰り返すことになります。

対処としては、あなたにできることは何もなくなり、第三者の助けを借りる必要がでてきます。

5.無能の証明

「無能」であることを証明しようとします。

復讐のあとには、これ以上わたしに期待しないでくれ、これ以上の絶望を経験しないために、あらゆる課題から逃げ回るようになります。

最初から「できるはずがない」とあきらめたほうが楽。自分がいかに無能であるか、ありとあらゆる手を使って「証明」しようとします。

対処としては、復讐と同様、あなたにできることはありません。専門家に助けを求めましょう。

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