次のうち「甘やかし」に相当するものはどれだろうか?
- 子どもが服を着るのが大変そうなので、手伝ってあげた
- 普段自分で服を着れる子どもが「服を着せて」というので、「自分で着なさい」と怒った
- 普段自分で服を着れる子どもが「服を着せて」というので、手伝ってあげた
アドラー心理学では、甘やかしの定義を次のようにしています。
子どもが何かを成し遂げるチャンスを奪うこと
「子どもの課題を親が勝手にやってしまうこと」ということもできると思います。
冒頭の例を一つずつ考えてみましょう。
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子どもが服を着るのが大変そうなので、手伝ってあげた
これは、「甘やかし」です。
この例では、子どもの様子を察して親が服を着せるのを手伝っています。この「察する」という能力。病気の前兆やちょっとした心理的変化など察するのは重要な能力です。しかし、安易に察する能力を行動に結び付けてはいけません。行動にうつことに鈍感になる能力を鍛えましょう。
親が子どもを察して行動してしまうと、子どもの挑戦する機会や意思を奪ってしまうことになります。服を着せてあげるのを手伝うことで、着るための工夫や困難を乗り越えた成功体験の機会を奪うことになります。
親が「甘やかし」を行う目的は何でしょう?おそらく次の2つのうちのどちらかです。
- 子どもを依存体質にしたい
- 子どもの行為にイライラしたり、他人に見られて恥ずかしいなど、親が負の感情を感じている
子どもの気持ちを察っして行動へ移す前に、今回甘やかすと、子どもはどう考えるようになるか?を気にしてみましょう。
普段自分で服を着れる子どもが「服を着せて」というので、「自分で着なさい」と怒った
「甘やかし」とはいえないかもしれませんが、怒る必要はあるでしょうか?
意思表示をしたら、頭ごなしに怒られた。そんな経験をしたらどうでしょうか?きっと次からは意思表示をしたくなくなるのではないでしょうか?
手伝えない理由があるのであれば、きちんと理由を説明して断るべきです。
「今手が離せないから、自分できてもらえる?」
怒るのではなく、会話をしましょう。
普段自分で服を着れる子どもが「服を着せて」というので、手伝ってあげた
これは「甘やかし」ではありません。
疲れている。親の愛情を確かめたい。ただの気分。理由は様々ですが、子どもが自分の意思で要望していることです。それに対して手伝うことは甘やかしにはなりません。手伝える状況なのであれば手伝ってあげましょう。このケースで手伝うことで、子どもが何かをなしとげるチャンスを奪うことにはなりません。
自分でできるのに毎回毎回要望してくる場合は、何らかの理由をつけて「今は手伝えないから、自分でやってもらえる?」と伝えてあげればいいでしょう。
まだ自分では満足にできない場合。その場合は、なるべく子どもが自分でできるようにフォローしてあげることが必要です。自分ひとりでは服が着れない場合は、着る手順を教えてあげる。手本を見せてあげる。難しいところは親が、簡単なところは子どもがやるようにする。子どもが挑戦できるように援助してあげることが重要になります。
まとめ
「甘やかし」とは、子どもが何かを成し遂げるチャンスを奪うことです。
子どもの気持ちを察して親が先手を打って動いてはいけません。親が子どもの気持ちを察して動くことに鈍感になりましょう。先手を打って動くことは、子どもの挑戦するチャンスを奪い、親に依存させる行為だからです。