アドラー心理学の教育で、ポイントとなるのは、「結末を体験させる」「あまやかさない」「判断に迷ったら、この体験から何を学ぶか?を考える」とう3点です。
この3点を、ひょんなことから、大好きなプールに行きたがらない娘に対して、使ってみました。
プール好きな4歳の娘
4歳の娘は、短期の水泳教室に通っています。もともとは、親子水泳教室に通っていましたが、4歳になると子どもだけが参加できる水泳教室にかわります。入っているのは一番小さい子の教室です。5秒以上もぐる、けのびができることが最終目標となります。
水泳は結構好きらしく、水を怖がることもありません。ひいきめにみても、他の子どもたちよりも長時間もぐったり、はしゃいだりと、誰よりもプールを楽しんでいる感じがします。
プールに行く直前に転んでご機嫌ななめ
ある日、プールに行く直前に道で転んでしまったことがありました。転んでからは、ご機嫌ななめ。自分の殻に閉じこもります。
なんとか教室開始の直前にプールにつくも、「入りたくない!」といって言うことを聞きません。しまいには、「いやだ、家に帰る!」といって泣き始めます。
開始時間が迫ることに焦りながらも、「なんで入りたくないの?」と聞いてみます。しかし、「髪の毛ぬれたくない」や「とにかくいや!!早く家に帰りたい」など、態度は硬化するばかり。そして、無常にも時間はどんどん過ぎて、プールが始まる時間を過ぎてしまいました。
入らないかわりに、見学させて結末を体験させる
そんなとき、どうすればいいか?とちょっと考えてみます。「無理やり入れる」「言うとおりに帰る」というのがぱっと思い浮かびます。
アドラー心理学的に、「この体験を通じて、子どもは何を学ぶか?」と考えてみると、「言うとおりに帰る」という選択肢はなさそうです。帰ってしまうと、駄々をこねれば自分の思い通りになるということを学んでしまいます。
残るは「無理やり入れる」ですが、本来自分でやるべきことを、親が肩代わりする時点で、甘やかしになる気がします。
どうしようかと考えた結果、見学させることにしました。通っているプールは、外から見学することもできます。とりあえず、そこまでは無理にでも連れて行って、教室の時間中プールを見せることにします。
見学する場所についたら「いまはプールの時間だから、入らないならちゃんと見ておきなさい」と伝えます。あいかわらず「帰りたい」と言ってきますが、そこは折れてはいけないと思い、プールに入らない結末を受け入れてもらいます。
しばらくすると、観念したのかじっと見る娘。タイミングをみて「あれは何をやってるの?」と声をかけてみると、得意げに説明してくれるようになりました。
最後には、「わたしも入れば良かったなぁ」と言っていたので、きっと何かを学んでくれたに違いありません。